名古屋工業大学大学院 伊藤孝紀研究室と有限会社 TYPE A/B、株式会社 FLANNELの 1研究室と 2企業による産学共同プロジェクト。

産学共同デザイン 5W×1H×3P とは

名古屋工業大学大学院 伊藤孝紀研究室と有限会社 TYPE A/B、株式会社 FLANNELの 1研究室と 2企業による産学共同プロジェクト。
5W × 1H × 3Pとは、2つのProfessional(企業)と学生らのPersonality(個性)により1つの商品が生み出されるプロジェクトです。三者それ ぞれの 5W × 1Hの要素が目的に則して抽出され "カケアワセ "されていく Process(過程)を公開します。

掲載日:2009 年 9 月 30 日

no.38 縫製型取り

FLANNEL SOFAの記事

090930

ウレタン付けされたスフェリコンソファ(商品名は、「RONDO/ロンド」に決定)。これに今回の展示品の張り地である、エクセーヌ(フェイクスエード)を張って、ソファとして完全に仕上がるのですが、縫製に関してももちろん「型」が必要で、型を作って、試作して、仮に張ってみてOKであれば、本生地で張る、という流れとなります。

ほとんどの面がRによって構成されているロンドは、一枚の布を被せて寄るしわをできるだけ1ヶ所に集中させて、縫製ラインがなるべく少なく済むように縫製型を作ります。
ソファ左肘部分の円錐型の突起部分は、縫い込みが一本で済むだろうと、予想していましたが、思いがけず二本必要ということに。

面に対して縫製ラインが多いと、野暮ったくなってしまうので、背後ろにかけての切り替え部分だけステッチを入れて、縫い込みの前2本にはあえて入れません。それによって、目線がそらされて、2本入った縫い込みも目立たなく、気にならなくなる、という効果があります。

さて、こうした工夫が盛り込まれつつ、仮張りとなりますが、思った通り縫製はすんなりときれいに上がりました。(難度の高いことはしているのですが・・)あとは本張りですが、現在縫製中ということで、ひとまず待ちとします。
上記にも様々なことが書かれていますが、皆様が展示会場で「縫製を見る」としたら、こんな事に焦点を当ててご覧になってみて下さい。

  • どのラインでパーツ分けされているか、どうしてそのラインなのか・・。
  • ステッチがある部分とない部分がある。どうしてか・・。
  • パーツ分けされているが、縫製されている部分とそうでない部分がある。それはどのようにして仕上げられているのか・・。
  • ステッチはエッジのトップにあるか、そうでないか。

等々、「縫製を見る」面白い見方ではないかと思います。色々想像しながらモノをまじま
じ見てみるのも一興かと。どうぞ参考までに。

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伊藤研究室

家具からインテリア、建築等を一つの環境と捉えデザインの研究と実践 を行っている。行政・企業・市民を巻き込んだ、インスタレーションや マチづくりにも従事し、社会・世界に向け活発に活動中。

TYPE A/B

住宅設計からマンションのリノベーションなど住空間のデザインを手掛 けている。また、市場分析からコンセプトを創造し、ロゴやネーミング などデザインを活かしたブランド戦略を実践中。

FLANNEL SOFA

私たちの考える本当の意味での「デザイン」とは、 思案から、ソファ製作の過程をへて、お客様の元へ、その後長く使用され続ける。 そのようなロングライフなモノ作りこそが、デザインだと考えます。

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