美しいソファにおける、「縫製」の重要性について教えてください。
「縫製」は平面の生地を立体的に縫い合わせ、ソファの形に仕上げていく大事な作業です。 お客様がソファを見てかっこいいな、素敵だな、と感じる1つの要因として、ソファの”フォルムが整っている”ことが挙げられます。 縫製は整ったソファのフォルムを作る上でとても重要な役割を担っています。
縫製はソファの美しさを形作る大事な工程なんですね。 では、「仕上がりを左右する縫製」とは具体的にどのような作業でしょうか?
ソファは、縫い目のラインとソファ本体の形がピタッと正確に揃っているとフォルムがきれいに見えます。
まっすぐのところはまっすぐに、曲線は丸みに沿って、正しい位置に縫い目がくることで美しいソファになります。
美しいソファをつくるため、また正確に縫製するために、私達はたくさんの細かな基準を設けています。その中でも「縫い幅を均一に揃える」ことは縫製の基本。
この精度の高さで、ソファの品質や仕上がりに差がつく為、より厳しく行っています。
またソファカバーのサイズにも細やかな調整が加えられています。
ソファのフォルムを美しく表現しながらも、カバーの脱着がしやすい。その加減も計算してサイズを調整しています。
デザイン性と機能性をどう両立するのか、いつも試行錯誤の連続です。
快適にソファを使っていただくために、気をつけていることはありますか?
ソファカバーの裏側や縫い終わりの糸の始末にも気を配っています。ソファメンテナンスやカバーの洗濯をする時に、 お客様が見て心地よく感じられるよう、見えない部分までキレイに仕上げることを心がけています。
また、ソファのカバーは、縫い終わった後も「縫製後の検品」「張り工程」「出荷前の品質チェック」の3つの工程で仕上がりの美しさが入念に確認されます。 厳しく定めたFLANNEL SOFA独自の基準に満たないものは各工程の職人から縫製職人へフィードバックされ、その都度縫い直しを行います。 そして、直した製品の記録を残すことで改善に繋げています。 「FLANNEL SOFAの入念な検品」詳しくはこちら
取り扱っている生地は170種類以上。生地によって製作過程に違いがあったりするのでしょうか?
様々な違いはありますが、例えば裁断工程では、生地の性質によって裁断図(型紙)を変えています。
生地は種類ごとに「素材」「織り方」「厚み」「密度」「伸び方」など、性質が大きく異なります。また同じ種類でも色によって伸び方が変わる生地もあります。
そのため同じ寸法で裁断しても、生地が変わるとソファ本体に被せたときに微妙にシワが入ったり、予想外の方向に生地が伸びて縫い目が歪んでしまいます。
どの生地で張っても均一な仕上がり、美しいフォルムのソファを実現したい。
そんな思いで、それぞれの生地の変化を入念に記録し、ミリ単位で裁断図(型紙)を変え、調節できるようにしました。
裁断図(型紙)の数は同じソファでいくつあるのでしょうか?
ソファのシリーズによって変わります。多いものだと「ソファSIESTA3人掛け」は、複数の裁断図に基づいてソファカバーを裁断しています。
SIESTAシリーズは、座面・肘・背すべてを縫い合わせているので、1箇所でも縫い目がズレてしまうと他の箇所にも影響が出てしまいます。
そのため通常よりも裁断図(型紙)の数を増やし、生地の特性に対応できるようにしています。
縫製をするうえで、大切にしていることは何ですか?
縫製は、お客様がはじめてソファを見たときの第一印象に大きく影響を与えます。
そのため私達は「お客様がどう感じるか」を常に考えながら1つ1つのソファを製作しています。
ソファに一目惚れしたお客様のお声を聞くと、自分たちのやって来たことがお客様に届いているんだなと実感でき、とてもうれしく、また励みになります。
縫製の作業は派手ではありませんが、1つ1つの工程を着実に仕上げていく事こそが、美しいソファを作ることに繋がると私達は思っています。
シワが寄ってしまう部分があれば疑問を持ち、ソファの仕様を変更、改良しながら、より良いソファづくりを日々目指しています。
それは、お客様に第一印象で感動してもらえるソファを届けていきたいからです。
FLANNEL SOFAでは1人の職人が1つのソファを縫い上げています。
担当した職人に強い責任感が生まれ、想いを乗せることが出来るからです。
そんな想いを乗せたソファは、常に細部までこだわり、ソファの美しいフォルムとクオリティを保ち続けています。
それはひとえに職人1人1人の気づきと妥協なき手仕事により生まれる「お客様に喜んで頂きたい」という熱い気持ちが形になっているからだと思います。
FLANNELSOFAのショールームでは、縫製職人たちが丹念に製作したソファをたくさん展示しております。縫い目のラインや全体のフォルムにも、ぜひ着目してみてください。
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